都立現代美術館
- Date
- 2010/03/24/Wed 01:29
- Category
- 雑記
都立現代美術館に行ってきました。
装飾展という、装飾をテーマにした展覧会を
見るのが目的。
装飾=デザインが私の仕事ならば
この展示は装飾=アートというところ。
しかし装飾=デザイン=アートは
厳密には私の中では成り立ちません。
こと身体装飾品に関してはデザインは
お客様を引き立たせる補足となることで
完成を見るもの。それがうまくいくことで
お金をもらえて完結ですが、
アートは飯が食えなくてもアートです。
プロのデザイナーという言葉はあっても
プロのアーティストという言葉には違和感を感じます。
子供のころ絵を描かなかった人が一体どれほどいるでしょうか。
技術を知らずとも自分という旗印の元に自由に表現することを
いつしか大人になって忘れる人間がほとんどです。
アートはすべての人のもので、アーティストという言葉は
全人類に当てはまります。
お金を貰う人は一生懸命ものづくりします。あくまでその工程は
あわゆるアマチュアと同じです。できた作品がはじめて商品となり
売り方を考えたり時流に乗ったりしてお金に換わっているだけのことです。
装飾展というコンセプトは以上の流れから考えるなら、美術館側の
キュレーションの力が強く出て、アーティスト側はいまだコンセプトを
押し付けられるという、現代アートならではの違和感が感じられなくも
ないとも言えますが、アーティストはあくまでアーティスト。
提案になんであろうと、結局は自分の作りたいものを作って
いるという根本は変わらず、曲がらない基本があるから
展示は面白いものが多く、大変見ごたえのある展覧会でした。
同時開催していたサイバーアートも体感できる芸術という
現代美術館らしいもので、アートという括りの限界と
なんでもアートとして見せちゃえば良いじゃん、という
寛容さが心地よいものでした。
難しく考えず楽しいものでそれぞれのオリジナルなら
アートというものはなんでもいいんだと思います。
実際休日ということもあり、カップルが多く、一緒に
サイバーアートを体感し笑い声や楽しげな声色での会話が
聞こえてくる会場こそが、その成功を雄弁に物語るのでした。